失業保険をもらうことになったけど、求職活動実績ってなに?
何をすれば求職活動実績になるの?
求職活動実績とは、失業の認定を受けるために求職活動したことを示す実績のことです。
失業保険を受給するには、毎月2回の実績を申告する必要があります。
求職活動実績のために面接する必要はありません。応募や相談をすれば求職活動実績になります。
この記事では、求職活動実績とは、どんな方法で求職活動実績を得られるのかについて解説します。
目次
求職活動実績とは
厚生労働省の説明ですが、太字だけ読むとわかりやすいです
基本手当の支給を受けるためには、失業の認定を受けようとする期間(認定対象期間。原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間)中に、原則として2回以上(基本手当の支給に係る最初の認定日における認定対象期間中は1回)の求職活動(就職しようとする意思を具体的かつ客観的に確認できる積極的な活動をいいます。)の実績が必要となります。
求職活動実績とは、失業の認定を受けるために求職活動したことを示す実績のことです。
失業とは「積極的に就職活動を行っているにもかかわらず、職業に就くことができない状態」のことです。
失業保険は、失業が認定された場合に支給されます。
つまり、失業保険をもらうためには、失業の認定までに2回以上の求職活動を行って、それを実績として申告する必要があります。
雇用保険法 第四条 3項:この法律において「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。
求職活動実績になるもの
求職活動実績になる活動は、次のようなものです。
- 求人への応募
- ハローワークの求職活動支援の利用:職業相談、職業紹介、またはセミナーの受講
- 民間事業者の転職支援の利用:職業相談、職業紹介、またはセミナーの受講
- 公的機関の就職支援の利用:職業相談、職業講習、または企業説明会への参加や個別相談
- 資格試験の受験:再就職に資する各種国家試験、検定等
1. 求人への応募
『雇用保険受給資格者のしおり』には、もうちょっと具体的に書かれています。
求人への応募(応募書類の送付、面接)
これが、多くの人に誤解を与えている原因です。「面接しなければ失業保険はもらえない」と。
実は、応募さえすればその時点で求職活動実績になります。
失業認定申告書を見ると、3の項目で『応募』を実績として記入できる書式になっていることがわかります。
2社に応募して実績2回分をつくれば失業保険をもらえます。
やればよいことは応募。面接する・しないは、実績とは関係ありません。求職活動実績のためなら、わざわざ面接なんかしなくてよいです。
転職サイトの求人への応募が簡便です。こちらの記事で解説しています。
2. ハローワークの求職活動支援の利用
ハローワークが実施する求職活動支援を利用すると、必ず求職活動実績になります。
職業相談、セミナーなどがこれにあたります。
これらの活動をすると、『雇用保険受給資格者証』の【求職活動実績確認欄】に押印をもらえます。(上の画像です。スマホの方は拡大して見てください。)
この押印が求職活動の動かぬ証拠になるので、必ず失業認定してもらえます。
職業相談を2回したなら大丈夫です、認定します。
失業保険を確実に受給したければ、ハローワークの求職活動支援を利用するのが確かな方法です。
ハローワークの求職活動支援については、こちらの記事で解説しています。
3. 民間事業者の転職支援の利用
民間事業者の行う転職サービスを利用して、求職活動実績にできます。
- 職業紹介事業者:転職エージェント、転職支援会社
- 労働者派遣事業者:派遣会社
たとえば、転職サイトdodaは転職支援型のサービスも行っています。
dodaでは『転職セミナー』と称する転職支援セミナーを実施しており、これを受講すると求職活動実績になります。
え、実績になるの?知らなかった…
dodaのセミナーは、セミナー型(90~120分)と個別相談型(60分)のものがあります。
このセミナー、どちらでも受講すると、1回の受講が実績1回分になります。
転職支援セミナーを利用して求職活動実績にする方法は、こちらの記事で解説しています。
派遣会社に登録して転職活動する場合も、求職活動実績にできます。
派遣の場合は、事業登録上、求人の扱いにはなりません。なので、『派遣就業相談等』の求職活動として申告します。
派遣会社に登録した際に、雇用契約や派遣先の希望条件について相談したら、実績1回分。
登録済みの派遣会社が出してくれた案件について相談、またはエントリーしたら、案件(一連の活動)が実績1回分。
派遣の場合の求職活動実績については、こちらの記事で解説しています。
4. 公的機関の就職支援の利用
公的機関という言葉には、あまり馴染みがないかもしれません。
公的機関が実施する就職支援の情報を目にする機会もありません。
これは、地方自治体や職能センター、新聞社などが、就職情報源として現代に合っていないことが原因です。
要するに、これらの公的機関はウェブをうまく使うことができていなくて、広報が下手なのです。
公的機関の職員なんて老人ばっかりだろうから、当然かも。
だから、ウェブで就職情報を探しても、優秀な民間の転職サイト(dodaやマイナビなど)のほうが目につきます。
地方自治体の役所や公民館などの公的施設に、ハローワークの出先機関が入所していることがあります。
ハローワークの出先機関では、パソコン求人検索や職業相談を利用できます。こちらの記事で解説しています。
5. 資格試験の受験
国家資格や検定などの資格試験の受験を、求職活動実績にできます。
本来なら、「学業に専念する場合。(昼間の学校に通っており、すぐに就職できない場合)」は、失業保険を受給できません。
しかし、再就職に資する資格については例外的に、その『受験』を求職活動実績にしてよいことになっています。
「再就職に資する」とは、再就職に役立つという意味です。
1回の受験が求職活動実績1回分になります。
資格試験の受験を求職活動実績にする方法は、こちらの記事で解説しています。
求職活動実績にならないもの
『雇用保険受給資格者のしおり』には、次のように書かれています。
以下の場合は求職活動実績になりません。
- 単なるハローワーク、新聞、インターネット等で求人情報閲覧
- 単なる知人への紹介依頼
- インターネット等による民間職業紹介事業者、労働者派遣事業者、地方公共団体の行う無料職業紹介事業への単なる登録
これらは、失業保険の支給要件である「積極的に就職しようとする気持ち」を示す行動としては弱い。ということです。
求職活動実績2回の理由
求職活動実績は、失業の認定までに2回以上が求められます。(初回認定、就職困難者をのぞく)
言い換えると、毎月(4週間)に2回の求職活動実績を示せば、失業保険を受給できます。
厚生労働省は、「積極的に就職しようとする気持ち」があれば、月2回くらいは求職活動をするもの。との見解を示しています。
つまり、失業保険を受給するための求職活動実績として妥当なのは、2回というわけです。
雇用保険法 第十条の二:求職者給付の支給を受ける者は、必要に応じ職業能力の開発及び向上を図りつつ、誠実かつ熱心に求職活動を行うことにより、職業に就くように努めなければならない。
求職活動実績の回数については、こちらの記事で解説しています。
求職活動実績が無い場合
求職活動実績が無い、または1回しかない場合は、失業保険の支給はされません。失業手当(もらえるはずだったお金)の支給は次回に繰り越しされます。
もらえる失業手当の総支給額が減額するわけではありません。失業保険の支給が1回飛ばされるということです。
求職活動実績が無い場合の処分や対応については、こちらの記事で解説しています。
まとめ
- 求職活動実績とは、失業の認定を受けるために求職活動したことを示す実績のこと。
- 「積極的に就職しようとする気持ち」があれば、月2回くらいは求職活動をするもの。
- 求職活動実績になるのは、求人への応募、各機関の実施する職業相談、職業紹介、セミナーの受講。
- 求職活動実績が無い、または1回しかない場合は、失業保険の支給は1回飛ばされる。
ついでに読んでおきたい記事
3倍返し!失業保険の不正受給とは【バレる理由は調査・通報】働く気がないのに失業保険もらって大丈夫?【就職活動したくない】失業中の過ごし方【今だからできることを色々やってみた】東京都内のハローワーク一覧【相談の求職活動におすすめ】失業認定申告書|求職活動をしなかった理由【無難な言い訳】雇用保険説明会への参加だけでは求職活動にならないのでご注意を!コロナで求職活動実績が免除【条件は?失業認定申告書は?】雇用保険説明会中止のときは動画視聴【コロナ禍の求職活動】求職活動実績の嘘がバレたら【失業認定申告書の嘘はバレない?】管轄外の別のハローワークでも求職活動実績【相談・紹介状など】就職活動のふりして失業保険もらう人も多いのでは?という疑問私が求職活動についてブログを書いた動機
私が、当サイトで求職活動についてたくさんの記事を書いた動機は3つあります。
- 求職活動実績の誤解や不安を解きたい
- ムダな求職活動による不経済をなくしたい
求職活動実績の誤解や不安を解きたい
「面接じゃないと求職活動実績にならない。失業保険をもらえない。」と、誤解している方も多くいます。面接はしなくて構いません。応募した時点で求職活動実績になり、失業認定申告書に記入でき、失業保険をもらえます。
「面接に行ったけど会社の雰囲気が合いそうにない。辞退したら失業給付が停止されるのではないか。」という不安を抱える方もいます。辞退しても大丈夫です。どんな理由であれ、仕事を選ぶ権利は職業選択の自由によって守られています。
応募したあとどうなったか、辞退、不採用、内定などの応募後の進捗は求職活動実績とは関係ありません。
ムダな就職活動による不経済をなくしたい
求職活動実績を得ることだけが目的のムダな就職活動が横行すると、企業にとって損失になります。
応募書類を見たり、ちょっと面接するくらいで損なんかしないじゃん。
って思いましたか?
企業は、人事担当者に年間数百万円の人件費をかけて、求人媒体に数十万~百万円程度のお金を払っています。
一人の採用にかけているお金は、実はかなりの額になります。私も面接する側に立ったことがあるのでわかります。次の人で決めたい!次こそ、いい人が来てくれ!
たった一人の採用になんと時間を削られ、お金が飛んでいくことか…。できるだけ、求職活動実績を得る目的のムダな就職活動はしないでください。日本全体で見ると、おびただしいほどの不経済を生んでいます。
応募や面接のほかにも、ハローワークの求職活動や転職サイトのセミナーを求職活動実績にできます。