派遣案件のエントリーボタンを押せば応募したことになるの?
派遣の場合は、就業相談をすることで求職活動実績にできます。1案件の相談が実績1回分になります。エントリーしなくても、相談したことが実績になります。
派遣案件は求人ではありません。失業認定申告書では、求職活動の内容に『派遣就業相談等』の求職活動として記入します。
※「求人への応募」という扱いにならないので、応募欄には書けません。
この記事では、派遣エントリーで求職活動実績にする方法、失業認定申告書の記入を解説します。
目次
派遣のエントリーとは
- 派遣会社のサイトで公開されている派遣案件のエントリーボタンを押しただけでは求職活動実績にならない。
- 派遣会社のサイトでエントリーボタンから仮登録したあとに、派遣会社に行って就業条件などを話し合えば求職活動実績になる。
- 登録済みの派遣会社から具体的な派遣先を提示され、エントリーすると求職活動実績になる。
求職活動の方法として、派遣にエントリーすることが実績になるのか。混乱する人も多いと思います。
派遣会社のサイトでエントリーボタンを押しただけでは、応募にはあたらないので実績にはなりません。
登録した派遣会社から案件を提示されて正式にエントリーした場合は求職活動実績になります。
さらに知っておきたいのは、登録した派遣会社と相談や話し合いをすれば「派遣就業相談等」の求職活動実績になるということです。
派遣登録で実績になる場合
求職活動実績になる場合
- 派遣会社へ登録に行き、そのときの面談で派遣先の希望条件などについて話し合いをした。
- 登録済みの派遣会社が出してくれた案件について担当者とやりとりした。
- 登録済みの派遣サイトからエントリーした案件について、コーディネーターと相談した。
失業認定申告書に記入できる活動は「派遣会社による派遣就業相談」です。派遣で求職活動実績にするには派遣登録をして就業相談をすればよい。ということになります。
ここまでわかれば、具体的に何をすれば実績になるのかを理解しやすくなります。誤解している方も多いのですが、わざわざエントリーしなくても、派遣就業相談すればその時点で実績になるのです。
派遣で実績にならない場合
以下の場合は求職活動実績になりません。
③ 労働者派遣事業者への単なる登録東京労働局『雇用保険受給資格者のしおり』
求職活動実績にならない場合
- 派遣会社に登録しただけ → 単なる登録は求職活動実績にならない。
- 派遣サイトの画面でエントリーボタンを押しただけ → 派遣就業相談をしていない。
自分で考えてみても「求職活動としては微妙だな」と感じるものは、ハローワークの認定員だって「微妙だな」と感じるものでしょう。
だから画面エントリーは、派遣エントリーとしてはビミョーなのね
ボタンを押すことは応募ではない
- エントリーボタンを押すことは、派遣会社への登録の意思示しただけに過ぎない。
- 失業認定申告書の応募欄には、求人に直接応募したことを記入できる。しかし、派遣は直接応募できない。
派遣の仕事紹介サイトのエントリーボタンとは、「私たちの派遣会社ではこんな案件を扱っています。エントリーボタンから派遣登録しませんか?」という、派遣登録への誘引です。
つまり、派遣案件へのエントリーボタンを押す行動は、求人への応募ではありません。
注意!
派遣のエントリーボタンを押しただけの行動を、失業認定申告書の3-(2)「事業所の求人に応募した…」欄に記入すると、あたかも求人に応募したように見えます。この行為は虚偽の申告になります。
失業認定申告書の書き方
- 求職活動の方法:(ウ)
- 応募日:派遣就業相談した日、またはエントリーした日
- 利用した機関の名称:派遣会社の名称
- 求職活動の内容:就業相談、エントリーした案件(一連の活動)
派遣の場合、本当に求職活動したことを証明するものがありません。だから、失業認定で信じてもらえるのか、不安になるものです。
できるだけ、各案件(一連の活動)の内容を具体的に記入します。
派遣エントリーは、求人に応募したわけではありません。なので、『求職活動の方法』で(ウ)派遣元事業主による派遣就業相談等 を選択します。
失業認定申告書に書ける求職活動とは
『求職活動の内容』に記入できる実績は、次のとおりです。
- 派遣会社に登録に行き、派遣先の希望条件などについて相談したら、その相談を実績1回分として記入できます。
- 登録済みの派遣会社が出してくれた案件についてやりとりした、またはエントリーしたら、その案件(一連の活動)を実績1回分として記入できます。
- 登録済みの派遣サイトからエントリーした案件について、コーディネーターと相談したら、その案件(一連の活動)を実績1回分として記入できます。
派遣案件の連絡をもらった場合に、その相談が実績になるケースについてはこちらの記事で解説しています。
まとめ
- 派遣の場合は、派遣就業相談などをすれば実績にできる。
- 派遣の案件は、求人ではない。
- 画面エントリーは、派遣エントリーとして微妙。
- 派遣会社に登録に行き、派遣先の希望条件などについて相談したら、その相談が実績1回分。
- 登録済みの派遣会社が出してくれた派遣案件についてやりとりや相談、またはエントリーしたら、1案件(一連の活動)が実績1回分。
- 求職活動実績には、派遣とは別の方法を用意しておくほうが安全。
- 求職活動実績は、転職サイトが実施しているセミナーを受講する方法でも実績にできる。
豆知識:職業紹介ではない
派遣業界では「紹介」という言葉を使うことができません。※紹介予定派遣は職業紹介事業なので「紹介」になります。
派遣は労働者派遣事業であり、職業紹介事業ではありません。だから失業認定申告書の『求職活動の方法』にも(ウ)だけは「職業紹介」の文字がありません。
行政では、職業紹介事業と労働者派遣事業を分けて定義しています。
- 職業紹介事業者は、労働者と雇用契約なし。労働者を企業と引きあわせる機会をつくるだけ。
- 労働者派遣事業者は、労働者と雇用契約あり。派遣労働者を企業に貸し入れて賃金の一部を搾取。
それで派遣は、人夫貸し、人入れ業とも呼ばれます。
あまり良い言葉ではないです
豆知識:事前面接は禁止
労働者派遣法第 26 条第 6 項
労働者派遣(紹介予定派遣を除く。)の役務の提供を受けようとする者は、労働者派遣契約の締結に際し、当該労働者派遣契約に基づく労働者派遣に係る派遣労働者を特定することを目的とする行為をしないように努めなければならない。
派遣契約の前に、派遣会社が、派遣予定の労働者を連れて派遣先企業に訪問する行為が横行しています。
実は、労働者派遣法では、派遣契約にあたり企業が派遣労働者を特定できてしまう行為を違法としています。
つまり、面接してはいけないことになっているのです。
面接だけではなく、顔合わせ、職場見学、業務確認などは(言葉を変えただけ)全部ダメ。違法です。
失業認定申告書に、つい「エントリーした会社と顔合わせ」とか書いてしまいそうですが、本当はダメです。